網膜静脈分枝閉塞症


静脈が閉塞した部分より末梢側の静脈から、流れをとめられた血液が
血管からあふれ、上記の眼底出血や網膜浮腫を起きてきます。
一般には出血は少しづつ時間をかけて消退していきます。

出血が自然に消退した後、どのくらい視力が回復するかは、
視力にとって一番重要な、黄斑部の障害の程度によって決まります。
網膜のむくみが黄斑にまであり長期間でかつ高度であれば
視力の回復は期待できません。

またむくみがなくても黄斑部への血液が送られず視細胞の機能が
低下してしまう場合もあります。

一般に視力の回復は、静脈の閉塞した場所が黄斑から視神経乳頭
に近いほど悪くなります。

それとは逆に黄斑から視神経乳頭に遠いところの静脈が閉塞しても

無症状のこともあります。

治療について

出血自体は放置しても自然吸収することがあり黄斑のむくみの自然消退もあることから軽い消炎剤の内服程度で経過観察が行われることも多くあります。

急性期の治療

現時点でエビデンス(科学的に実証される)があるとされている治療をご紹介します。

トリアムシノロンのテノン嚢下注射

強い消炎剤である薬剤で網膜、特に黄斑のむくみの軽減をねらいます。

抗VGEF抗体(ラニビズマブ)などの硝子体注射

黄斑のむくみの軽減をねらいます。保険適応になりました。

硝子体注射とテノン嚢下注射

光凝固治療

レーザー光線で出血した網膜に軽い火傷をつくります。晩期合併症の予防としても行われます。やはりむくみの軽減効果があります。

硝子体手術(手術により硝子体を切除、除去する)

網膜のむくみ、特に黄斑部のむくみがとれ、若干の視力の改善が得られることがあります。


☆患者さんの病態に合わせ組み合わせて行う場合もあります。

慢性期の治療

光凝固治療などです。上記の新生血管による慢性期の合併症を防ぐために行います。

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