緑内障とは、視神経が障害され、気づかないうちに視野が狭くなっていく進行性の病気です。
最近の疫学調査では正常眼圧緑内障を含めた日本人の40歳以上の緑内障の有病率は5.78%であり、全国では緑内障患者数は約400万人に上ると 推定されています。
すなわち、40歳以上のほぼ17人に1人が緑内障 ということになります。
眼圧(がんあつ)と房水(ぼうすい)のはなし
眼圧:がんあつとは?
眼の圧力のことです。 10~21mmHg(水銀柱)が正常で 日本人の平均は13~14mmHgです。
房水:ぼうすいとは?
眼の中には房水(ぼうすい)と呼ばれる栄養などを運ぶ 液体が流れています。
いわば血液の代わりです。
房水は毛様体というところで作られて 水晶体と虹彩の間を通り瞳孔(瞳の中心)を抜け 虹彩の前を通りシュレム氏管という細かい管状の組織に 吸収されて血管(血液)に戻ります。
眼圧は房水の量によって決まります。 血圧とは関係ありません。
緑内障の種類 緑内障の種類は眼圧が上昇する原因によって
- 原発緑内障
- 続発緑内障
- 先天性緑内障
に分類しています。
原発緑内障(原因となる病気のないもの)
目の構造(特に→隅角 (眼の構造の図の□) と呼ばれる場所)の違いで
- 開放隅角緑内障
- 閉塞隅角緑内障
に分けられます。
正常眼圧緑内障
上記の開放隅角緑内障のうち眼圧が常に正常なのに 緑内障が進行する(視野障害が進行する)タイプがあります。
最近の大規模な疫学検査では意外にこのタイプの方が多く 緑内障の患者さん全体の約60%であることがわかりました。
続発緑内障(ケガ、薬の副作用、炎症の起こる病気などの原因によるもの)
目の構造(特に→隅角※眼の構造の図の□※と呼ばれる場所)の違いで
- 開放隅角緑内障
- 閉塞隅角緑内障
に分類します。
先天緑内障(生まれつきの緑内障)
緑内障の検査
眼圧検査(眼の硬さ:眼球の圧力)視野検査、眼底検査、診断のための隅角検査など
緑内障の治療
薬による治療目薬、内服薬 手術による治療レーザーや手術などがあります。
確実に進歩がみられる分野です。極端な場合を除き自覚症状に乏しい場合が多く 実際の診断、治療については眼科医師にご相談ください。