新しいタイプの点眼薬の登場
従来のドライアイの点眼薬は人工涙液のような少ない涙液を外部からの水分でおぎなう点眼薬、少ない涙液を保持する作用や角膜上皮の傷を早く治すような作用を持つ点眼薬しかありませんでした。
このたび眼の内部から涙と同質の成分を分泌させる作用のある点眼薬が発売されました。
この新しい点眼薬の登場によりドライアイ症状を従来より緩和できる可能性があります。
ジクアス点眼液
ムコスタ点眼液
また従来からドライアイ治療に使われるヒアルロン酸製剤により濃度の高い製品が発売されました。
ヒアレイン点眼液
これも従来の治療で十分な効果の得られない患者さんには新しい選択肢が増えたことになります。
新しい液体タイプのプラグの登場
従来の涙点プラグは文字通り涙点にふたをするものでした。
この方法の欠点としては
- 挿入した涙の通り道に異物反応で肉芽が形成されることがある
- 異物感がある場合がある
- 脱落がある
- 挿入し難い患者さんがいる
などが挙げられます。
新しい治療では涙点から涙小管にアテロコラーゲンという液体を挿入します。
この液体は低温で保存されており、挿入時には粘性が低い状態になっています。挿入後、体温による温度上昇で粘性が増し涙点から涙小管に残留します。
これにより眼の表面に貯まる涙液の量が増加し症状が軽減します。
持続は個人差があるものの約8週前後と言われており、その持続時間が短いのが難点ですが上記の涙点プラグを挿入する前に症状の改善度を試したり、軽度から中等度のドライアイで重症化する冬の乾燥時期だけ使用したい患者さんなどには良い適応であると思われます。
2008年4月より保険適応になっております。